はしもとクリニック(内科・消化器科・胃腸科)
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慢性B型肝炎

 B型肝炎ウイルスによってひきおこされる慢性肝炎です。
 B型肝炎ウイルスは成人で感染した場合、一般に慢性化することはありません。しかし、3歳以下の乳幼児が感染すると90%以上の割合でウイルス排除が不完全となり、持続感染となります(この状態をウイルスキャリアと言います)。現在、わが国には130万〜150万のB型肝炎ウイルスキャリアがいるといわれています。
 B型肝炎ウイルスキャリアの自然経過は実に多様ですが、たいていの場合30歳くらいまでに、肝炎の時期を経て、B型肝炎ウイルスの主体が増殖の旺盛な野生株から増殖力の乏しい変異株に移り、肝炎は終息します(これをセロコンヴァージョンといいます)。このようにして、キャリアの85〜90%が無症候性キャリアとなります。そして残りの10%強が肝炎が長期間にわたって持続し慢性肝炎から肝硬変、肝癌へと進んでいきます。

 気をつけなければならないことは、B型肝炎ウイルスの場合、症状の無いキャリアからも肝癌が発生するという点です。このため、セロコンヴァージョンして増殖力の乏しい変異株に変化し、臨床的にも全く症状がなくても定期的な肝癌のチェックは必要です。具体的には年1〜2回の血液検査と腹部エコー検査などの画像診断です。勿論、肝障害のある慢性肝炎や肝硬変の患者さんは検査の頻度を上げる必要があります。

 また何か他の病気でステロイド剤などの免疫を抑える薬を服用する場合、これを契機に肝炎が急性増悪することがあり、時には生命に関わることもありますので、慢性B型肝炎の方のみならず、症状のないキャリアの方も医療機関を受診される時はその旨伝えることが大切です。

 慢性B型肝炎の治療についてですが、残念ながら現在のところB型肝炎ウイルスを完全に排除する治療法はありません。従って治療の目標はセロコンヴァージョンを引き起こし、ウイルスの増殖能を低下させ、肝炎を鎮静化させることです。そして最終的には肝癌の発生を阻止し、また肝硬変・肝不全への進展を阻止することにあります。

 慢性B型肝炎の治療法は抗ウイルス療法、免疫療法、肝庇護療法の3つに大きく分けられます。そして患者さんの年齢、全身状態、肝臓の線維化の程度(肝炎のステージ)、肝炎の活動度などによって治療法を選択します。

慢性肝炎の説明